テクノロジーは「未来への投資」：Webサイト高速化とマーケティング指標の相関関係

こんにちは。執行役員 兼 マーケティング部長の松隈です。

前回は、製品単体の機能（コアプロダクト）だけでは勝てず、「顧客が求める真の解決策」を提供するホールプロダクトの概念が必要であるというお話をしました。またWordPressの機能をKUSANAGIで拡張し、マネージドサービスで理想の運用を提供することが、Web運用の最適解としての構造をご理解いただけたかと思います。

今回は、その「拡張プロダクト」としてのKUSANAGIが提供する高速化という技術的メリットが、いかにして具体的なマーケティング指標（KPI）を改善し、企業利益に貢献するのかを、より深く掘り下げて解説します。

表示速度がすべての「UX（ユーザー体験）」の出発点

現代のユーザーは、Webサイトに対して極めて高い即時性を求めます。Googleの調査では、モバイルサイトの表示速度が3秒を超えると、53%のユーザーが離脱するというデータがあります。

Webサイトの遅延は単なる技術的な問題ではなく、顧客の離脱という、マーケティング上の最大のリスクとなります。表示速度の速さは、この離脱リスクを最小限に抑え、快適なUX（User Experience）を実現するための技術的な土台です。

これは、コンバージョン（成約）の入口であるユーザーとの接点を、そもそも失わないための「守りのマーケティング」と言えます。

高速化が直結する3つのマーケティング指標

KUSANAGIの高速化技術は、以下の主要なマーケティング指標に直接的かつポジティブな影響を与えます。

A. SEO効果の最大化（検索順位の改善）

Googleは、ページの表示速度を検索順位を決定する重要な要素（ランキングシグナル）として公言しています。特に、Webサイトの健全性を示す指標としてCore Web Vitalsが重要視されており、ページの読み込み速度を示すLCP（Largest Contentful Paint）の改善が必須です。

KUSANAGIは、CMS実行環境としてLCPを根本から改善するため、結果として検索エンジンからの評価が向上し、オーガニック検索トラフィックが増加します。これは、広告費をかけずに見込み顧客を獲得できる「攻めのマーケティング」において、極めて重要な要素です。

B. 直帰率（Bounce Rate）の低減

表示が遅いサイトでは、ユーザーはコンテンツを見る前に「戻る」ボタンを押してしまいます。これは直帰率の悪化として現れます。

体感的に瞬時にコンテンツが表示されることで、ユーザーはサイト内を回遊するようになります。直帰率が改善し、セッションあたりの閲覧ページ数が増加することは、サイト内でのエンゲージメントが高まっていることを示します。

C. コンバージョン率（CVR）の向上

最も重要な成果指標です。ECサイトであれば「購入」、コーポレートサイトであれば「資料請求」や「問い合わせ」がこれにあたります。

AmazonやWalmartといった大手企業の実験結果からも、表示速度がわずか0.1秒改善するだけで、CVRが1%向上するという研究結果が出ています。ユーザーはストレスなく情報にアクセスできるため、購入プロセスやフォーム入力までスムーズに進み、迷いや離脱が減少します。

技術による性能向上は、最終的に「売上の向上」というビジネスゴールに直結するのです。

テクノロジーが実現する「リスク管理」というマーケティング

マーケティングにおいては、単に集客するだけでなく、ブランドを守り、信頼を構築することも重要な要素です。

KUSANAGIは、超高速環境を提供するだけでなく、高いセキュリティ機能も標準搭載しています。サイバー攻撃によるサイトダウンや情報漏洩は、一瞬で企業の信用を失墜させます。

Webサイトのセキュリティを強固に保つことは、「リスク・マーケティング」の観点から非常に重要です。KUSANAGIは、この「信頼」という見えない資産を守るための不可欠なテクノロジー基盤を提供しています。

技術とビジネス成果を一本につなぐ

WordPressをKUSANAGIで高速化する。これは、単に「速いサイト」を作るのではなく、技術（テクノロジー）を駆使して、マーケティングの課題を解決し、最終的なビジネス成果を最大化するための、戦略的な選択なのです。

次回は、このKUSANAGIマネージドサービスが提供する「理想のプロダクト」、すなわちWeb担当者がコア業務（コンテンツと戦略）に集中できる環境について掘り下げていきましょう。

KUSANAIについて知る⇛https://kusanagi.biz/kusanagi-licenses/
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