WordPressサイトのサーバ運用管理にAIが搭載されて超絶ラクになる未来をお伝えします!
世界中のWebサイト全体の43.2%、CMSの中でのシェアが60.4%という圧倒的な利用率なのがWordPressです。
そのため、個人のブログや小規模サイトだけでなく、企業のコーポレートサイトやメディアサイトでも多く使われています。皆さんの中でも使っている方は多いのではないでしょうか。

そんなWordPressを利用してWebサイトを運営するためには、ドメイン、サーバ、SSL証明書など多くのものが必要です。
ドメインについては、すでに取得しているドメインのサブドメインを使うこともありますし、新しくドメインを取得することも比較的簡単にできます。
しかし、サーバはどうでしょうか? 正直、一番ブラックボックスが多いのがサーバです。
WordPressサイトで困ることの1つが、サーバ運用
プライム・ストラテジーは、企業のWordPressサイトを中心にCMSサイトのサーバからCMSまでの保守運用を行う企業です。そのため、私も多くのお客様のお悩みをお伺いするのですが、どの企業・団体様も「サーバ運用」に課題を持っていることが多いです。
そもそも、WordPressサイトを運営する場合のサーバには大きく3つくらいの選択肢があります。
- 共用サーバサービスを利用する(レンタルサーバなど)
- 専用サーバサービスを利用する(VPSやクラウドサーバなど)
- 自社オンプレミスサーバを利用する
1と2については、以下の記事も参考になりますのでぜひご参考ください。
WordPressに最適なサーバとは?共用・VPS・クラウドの違いを徹底比較
企業や団体の場合は、ブランディングやセキュリティ対策などの観点から、2番の専用サーバを利用されるケースが増えてきていますが、専用サーバは自由度が高い分、自分たちで運用をなんとかしなければいけないという責任も出てきます。
そこで、KUSANAGI AIアシストでは、専用サーバの実行環境の中に「AI」を組み込んで、自然言語(日本語など)で会話をしながらの運用を実現しています。

これによって、難しいサーバの操作を調べながら恐る恐る実施したり、放置したりといったリスクを無くし、「最近サイバー攻撃されているか調べて!」と聞くだけでAIが全部対応してくれる未来が実現されます。
KUSANAGI AIアシストって何?
それでは、KUSANAGI AIアシストが具体的にどういうものなのかを見ていきます。
その前提として、超高速CMS実行環境KUSANAGIについても少しだけお伝えします。
KUSANAGIは、WordPressを始めとしたLAMP/LEMP環境で動作するCMSやフレームワークを超高速に動かすことができるサーバ実行環境です。現在、26のプラットフォームで利用する事ができますので、ご興味ある方はこちらもご覧ください。
参考:WordPressを動かすならKUSANAGI

そんなKUSANAGIの環境に、AIが入りました。これがKUSANAGI AIアシストです。
公式ページの説明を引用します。
「KUSANAGI AI アシスト」は、自然な言葉でやりたいことを伝えるだけで操作や確認ができる、対話型の運用支援機能です。
AIが頼れる先輩エンジニアのように、サーバの状態を調べたり、最適な設定方法を教えてくれます。
専門知識がなくても、安心してKUSANAGIを使いこなせるようになります。
それでは、論より証拠ということで実際に私が触ってみた画像を見ながら紹介していきます!
KUSANAGI AIアシストを実際に触ってみる
ちなみに、KUSANAGI AIアシストを使うには、まず以下の手順が必要です。最新版のKUSANAGIを利用していれば無料で利用できる機能ですのでぜひ使ってみてください。
- KUSANAGIを最新版にアップデートします
- インストールコマンド kusanagi addon install gemini を実行します。
- Node.jsモジュールが自動インストールされます
- Gemini CLIが自動インストールされます。この工程は比較的時間がかかるため、しばらく待機する必要があります。
参考:KUSANAGI AI アシスト(べータ版)の使い方
参考:会話型のAIがサーバ運用を支援!(KUSANAGI AIアシスト Geminiアドオン インストール)- YouTube
KUSANAGI AIアシストの起動
上記4つの手順が完了しましたら、サーバにて以下のコマンドを入力します。
kusanagi-gemini
すると以下のような画面になります。Gemini CLIですので使ったことがある方は見たことがある表示のはずです。インターフェースはGeminiですが中身はKUSANAGIように設定されていますので安心して使ってみてください。

KUSANAGI AIアシストに簡単な質問をしてみる
画像の中で四角い枠になっているところ「Type your message or @path/to/file」という部分に日本語でやってほしいことを入力して実行します。
まずは簡単な質問をしてみます。
例えば、こんな質問をしてみました。
「こんにちは。あなたは何ができますか?」

すると、このような答えが返ってきました。色々使えそうですね!
続いて、こんな質問も投げてみました。
「じゃあ、まずは現在のKUSANAGIの状態を教えて下さい。もし設定に問題があればそれも調べてください。」

すると画像にあるように、日本語で返事をしてくれてKUSANAGIの状態を調べるコマンドを実行して調べてくれています。


はい!実行結果を表示してくれて、更に詳しく稼働状況を調べてくれていますね。
今回は結果として、主要なサービスは正常に稼働しているが、キャッシュ機能が無効になっている部分を指摘してくれています。
更にすごいのが、KUSANAGIは2つのキャッシュの機構があるのですが、それぞれの説明と有効にするかどうかを問いかけてくれています。
でもここでこのように感じた方がいるかも知れません。
「そもそもこのAIの回答がよくわからない・・・。私はエンジニアじゃないし・・・。」
ご安心ください!その場合にはこんな感じで質問してみましょう。
「KUSANAGIの状態をもっと分かりやすく、非エンジニアにもわかるように教えて下さい。」

すると、分かりやすく噛み砕いて、たとえ話も入れて説明してくれました。
このたとえ話の例が適切なのかは賛否両論あるかも知れませんが、1つ前に聞いたときの回答よりも理解度はとても上がったのではないでしょうか。
こんな形でサーバの状態を知り、より身近な存在になっていくと社内のサーバ運用もブラックボックスが少なくなってきますし、非エンジニアでも(現状はサーバに入る必要はありますが)自由に質問をして状態把握や社内への報告ができるようになります。
KUSANAGI AIアシストは、高速化対応もしてくれる
最初の方にAIにした質問から、キャッシュを有効にするかどうかをAIに聞かれていました。
これで、「はい」と答えたら、AIがキャッシュの設定もしてくれるということです。
ということで、やってみました。

これで、キャッシュを有効化してくれました。とても簡単ですね。
更に、それぞれのキャッシュの目的についても教えてくれているので、「何かわからないけどOKしてしまった」というようなこともなく、Web担当者やエンジニアが目的をはっきり理解したうえで実施することができるようになります。
かなりすごいです❗️
KUSANAGI AIアシストは、サイバー攻撃のチェックもできる
最後に、皆さん気になるサイバー攻撃についてのチェックも依頼してみました。
「直近1週間で、サーバが攻撃されていないか調べてください。心配です・・・」
はい、気持ちも入ってしまいましたが以下のように回答が来ました。

まずは、対象のログ(アクセスの記録とエラーの記録)を調べていますね。

その結果として、下の方にある「調査結果のまとめ」を見ると、
- WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)を見ると、攻撃を防いだ形跡なし
- ログインページの総当たり攻撃にも、不審なアクセスなし
- 別の攻撃経路を見ても、不審なアクセスの形跡なし
ということで、現状はサーバへの攻撃を受けた形跡はなく、しっかりとサーバを守って運用できているということがわかります。
こんな感じのことを1週間毎とかやっていくだけでも今よりも格段にサーバ側の理解が深まりますし、なにか気になることがある場合などにも日本語で聞くことで解決までの道筋にたどりやすくなると思います。
結論:KUSANAGI AIアシストをまずは無料で触ってみよう
今回は、KUSANAGI AIアシストについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
現状はKUSANAGI AIアシストべータ版ということもあり、サーバに入ってから日本語でサーバとコミュニケーションを取っていくことになりますが、それにしてもかなりサーバが身近になり、解像度も上がりそう!と思っていただけたのではないでしょうか。
KUSANAGIについては、先述した通り26のプラットフォームで利用できるもので、まずは無料版から利用することができます。
参考:ご利用可能なプラットフォーム
そのうえで、最新バージョンのKUSANAGIであれば、無料でKUSANAGI AIアシストの機能を利用することができますのでおすすめです。
実際に企業や団体の本番環境の環境として利用したい!という場合には、動作保証などもついている有償のエディションがありますので、必要な機能に応じてどのエディションにするのかを決めていただくことができます。
参考:KUSANAGIのエディション
ぜひご興味持っていただいた方は、使ってみてください。
お問い合わせやご相談などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
https://kusanagi.biz/contact/
プライム・ストラテジーでは、Web担当者様、IT担当者様などの
お役立ち資料やYouTube動画を公開しています。ご興味ある方はぜひご覧ください。
執筆者/穂苅 智哉(プライム・ストラテジー株式会社 マーケティング&セールス部 マーケティング室 室長)
2016年からプライム・ストラテジーに入社し、営業・ディレクター・マーケティング・アライアンスを経験。
2021年から、外資IT企業にてパートナービジネスを担当する、Partner Development Managerとして、数十のパートナー企業様を担当し、双方のビジネス拡大のために活動。
2025年から、再びプライム・ストラテジーにてマーケティング室 室長として社内マーケやパートナープログラムなどを担当。
仕事以外では、旅行、釣り、ロードバイク、ドライブ、温泉・サウナ、ジャズ、カフェ巡りなどアクティブ派。今年はパラグライダーとキャンプをやってみたい。
主な著書:WordPressの教科書5.x対応版、WordPressの教科書6.x対応版




