【WordPressの高速サーバ比較!】超高速CMS実行環境KUSANAGI と LAMP環境でどれくらい速度が違うのかを比較してみた

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WordPressの高速サーバ比較

WordPressサイトを持っている方、企業様は多くいらっしゃいます。WordPressはとても便利で更新性も高く、カスタマイズ性もあり、制作やコンテンツ更新ができる方も比較的多くいるCMSですので、これからWebサイトを立ち上げていく場合にもおすすめができるものです。

一方で、特に企業内でWordPressを運用されている担当者の方が抱えている問題として多いのは以下のものです。

WordPressサイトの担当者が抱えている問題
  • セキュリティ対応がどこまで何をしていいか分からない
  • サーバ側の運用管理が社内だと大変
  • 表示速度や管理画面の動作が重たくなっており、ユーザー体験へのマイナスの影響と社内運営の非効率化が懸念

今回は、3番目の「表示速度」「WordPressの高速化」に注目して、根本から解決する方法の1つである「高速サーバ」を見ていきます。

いわゆる一般的なLAMP(Linux, Apache, MySQL, PHP)のサーバ環境と、プライム・ストラテジーで開発提供している「超高速CMS実行環境KUSANAGI」の2つを定量的に比較してみます。環境以外はすべて同じ状況で実施していますのでフラットに環境の違いでどれくらい高速になるのかが比較できるようにしています。

WordPressの高速サーバ比較!

それでは早速、比較の結果を見ていきたいのですが、その前に利用しているサーバスペックや条件についてお伝えします。

比較するサーバスペックや条件
  • 共通部分
    • サーバ:クラウドサーバを利用(4コアCPU、16GBメモリ)の環境
    • WordPress:6.8.3
    • WordPressテーマ:Lightning(株式会社ベクトル)
    • インストール済みプラグイン:
      • Akismet Anti-spam: Spam Protection
      • All in One SEO
      • Hello Dolly
      • Jetpack
      • VK All in One Expansion Unit
      • VK Block Patterns
      • VK Blocks
      • WordPress インポートツール
    • 有効化されているプラグイン:なし
  • 異なる部分
    • 環境A:LAMP環境
      • AlmaLinux release 8.10
      • Apache/2.4.37
      • 10.11.10-MariaDB
      • PHP 8.4.14
    • 環境B:KUSANAGI環境
      • AlmaLinux release 8.10
      • nginx129
      • 10.11.14-MariaDB
      • PHP 8.4.14

今回比較で利用するサイトはこのような表示になっています。(どちらも同じ見た目にしています)

比較その1:ブラウザの検証用ツール

それでは早速、速度比較をしてみます。

まず使う測定方法は、Google Chromeなどの「ブラウザの検証用ツール(Devツール)」です。WindowsであればF12キーを押すと出てくる画面のものです。

ここの中で、サーバ側の速度を比較する際に使える指標がいくつかありますが、今回は「Network」タブのTypeがdocument の読み込み時間を見てみます。

通常のLAMP環境で、WordPressのサーバ速度比較(ブラウザの検証用ツール)

通常のLAMP環境ですが、以下の画像のように表示が出ました。ここの Nameが「nokusanagispeed.com」という場所を見ていただくと横に Time というのがあります。ここが、196ms となっていますね。
msは、ミリ秒(0.001 秒)のことです。

この196ms ですが、もう1つポイントがあります。3つ横に document という表示があります。ブラウザがページを読み込む際に最初に取得するのがHTML(ドキュメント)で、その後HTMLを起点にCSSや画像、JSタグなどを取得していきます。
つまり、一番最初のリクエストということになりますので、表示高速化の判断材料とすることができます。ここが遅いと、そもそものサイト表示が後ろ倒しになっていくわけですね。

KUSANAGI環境で、WordPressのサーバ速度比較(ブラウザの検証用ツール)

それでは、続いて「KUSANAGI環境」を見ていきます。

すると、「kusanagispeed.com」の横 Time を見てみると、58ms となっています。
先程のLAMP環境と比較すると、196ms と 58ms ですので、3.4倍くらいです。

つまり、KUSANAGI環境にするだけで、通常と比較すると 3.4倍程度速い ということがわかります。

ちなみに、当然KUSANAGI環境側でキャッシュを使ったりはしていませんので、サーバ側の処理で比較をしています。

いかがでしょうか?かなりの高速化が実現しています。WordPressの作りの変更やキャッシュなどは一切使わずに、基盤として、アクセスに対する処理の高速化が強力ということです。

比較その2:サーバの負荷テスト

次は、双方のサーバにログインし、Linuxの負荷テストコマンドで比較してみます。

今回使うのは、Apache Bench(アパッチベンチ)です。これはApacheに標準についている、Webサーバの性能を計測するコマンドで、コマンドを実行するだけで計測ができます。

コマンドとしては、以下のようなものになります。

ab -n 1000 -c 30 http://kusanagispeed.com/sample-page/

-nと-cはオプションです。-nは、送るリクエストの総数、-cは、同時に発行するリクエストの数 になっています。そして最後にリクエスト先のURLを記載しています。

通常のLAMP環境で、WordPressのサーバ速度比較(サーバの負荷テスト)

実行するコマンドはこちらになります。

ab -n 1000 -c 30 http://nokusanagispeed.com/sample-page/

それでは実行してみます。

実行が終わると、テスト結果が表示されます。
ここで見ていただきたいのが、「Requests per second」という部分です。

結果の画像を見ると、 72.65 [#/sec] となっています。これは1秒間で処理することができるリクエスト数を意味しています。つまり、LAMP環境の方では、1秒間に72.65のリクエストを処理できるということですね。

この数値は、対象のWebサイト等が「メディアに載る」「バズる」などで急激なアクセスが見込まれる場合には相応のサーバ環境やサーバスペックを用意しておかなければならないということになります。

KUSANAGI環境で、WordPressのサーバ速度比較(サーバの負荷テスト)

実行するコマンドはこちらになります。

ab -n 1000 -c 30 http://kusanagispeed.com/sample-page/

それでは実行してみます。

実行が終わると、テスト結果が表示されます。
「Requests per second」を見てみましょう。

結果の画像を見ると、今度は 111.23 [#/sec] となっています。
つまり、KUSANAGI環境の方では、1秒間に111.23のリクエストを処理できるということですね。

数値を比較すると、KUSANAGIの方がおおよそ 1.53倍 程度処理性能が高いということになります。

秒間で処理できる数値が大きいので、大量アクセスが来てもサーバが遅くなったりダウンしたりせずに対応できるということになります。

この2つの環境を用意する際には、特別なことはしていないのですが、純粋にこれだけの数値差が出るというのはかなりすごいことです。

WordPressの高速化は、原理原則のサーバから!

今回、「WordPressの高速サーバ比較」ということで2つの環境を比較してきました。

ここからわかることとしては、サーバスペックよりもまずはサーバ環境にこだわる ということです。サーバスペックを上げるとその分継続的に料金も多く発生してきます。つまり、考え方としては、サーバスペックを上げずとも処理性能を上げるための「サーバ環境」を用意するということで高速化の課題が解決できる可能性がある という発想が大事です。

ぜひ、この比較記事でご興味持っていただいた方は、KUSANAGIを使ってみてください。
(参考:はじめてのKUSANAGI

「社内にエンジニアリソースがなく、技術的なことはできないけど、WordPressサイトの高速化は課題として持っている」

という場合には、当社プライム・ストラテジーが提供している、サーバ〜WordPressまでを一括して保守運用できる「KUSANAGIマネージドサービス」もご用意しています。まずはライトなご相談からでも、ぜひご連絡ください。

KUSANAGIマネージドサービスアセット 2

また、今回の内容を動画にもしていますのでぜひご覧ください。

執筆者/穂苅 智哉(プライム・ストラテジー株式会社  マーケティング&セールス部 マーケティング室 室長)

2016年からプライム・ストラテジーに入社し、営業・ディレクター・マーケティング・アライアンスを経験。
2021年から、外資IT企業にてパートナービジネスを担当する、Partner Development Managerとして、数十のパートナー企業様を担当し、双方のビジネス拡大のために活動。
2025年から、再びプライム・ストラテジーにてマーケティング室 室長として社内マーケやパートナープログラムなどを担当。

仕事以外では、旅行、釣り、ロードバイク、ドライブ、温泉・サウナ、ジャズ、カフェ巡りなどアクティブ派。今年はパラグライダーとキャンプをやってみたい。

主な著書:WordPressの教科書5.x対応版、WordPressの教科書6.x対応版

Tomoya Hokari

プライム・ストラテジーでは、Web担当者様、IT担当者様などの
お役立ち資料やYouTube動画を公開しています。ご興味ある方はぜひご覧ください。

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