
現代のデジタル社会において、Webサイトの表示速度は単なる技術的な問題だけではなくなりました。というのも、企業の売上、ブランドイメージ、そして競争力に直結する重要度が増してきているからです。
特に多くの企業が採用している「WordPressサイト」において、高速化は避けて通れない課題です。
高速化は、ユーザー体験の劇的な改善をもたらす
WordPressサイトを運用されている方は聞いたことがある、もしくは実感しているかもしれませんが、昔から「WordPressサイトは表示速度が遅い」と言われがちです。しかし現在、DataSign社の2024年8月調査によると、上場企業3,842社(総URL数13,739)の中で、WordPressが使われているドメイン数が4,930サイトとなっており、前年比で587歳と増加していることが分かりました。(※1)
(※1)https://oshiete-url.jp/report/cms/2024_8/

つまり、表示速度が遅いと言われているにも関わらず上場企業でのWordPress利用数は高い水準で増えているのです。
ここで、Googleが公開している数値を見てみます。
少し前の発表になりますが、2018年にThink with Googleで公開した情報(※2)ですが、
サイトの読み込み時間が1秒から3秒に増加すると、直帰率は32%増加し、5秒になると90%も増加する

ということです。
この調査結果から分かることとしては、「わずか数秒の遅延が、サイトに訪問してくれたユーザーを失う」ということです。ある意味恐ろしいですね。
ですので、サイトの高速化を行うことで、ユーザーはストレスなくサイトを閲覧でき、内容に集中できるため、ユーザー体験(UX)が向上するのです。
高速化は、コンバージョンへの劇的な改善をもたらす
続いて、Amazonのテスト結果を見てみます。(※3)
ページの読み込み時間が0.1秒短縮されるだけで、売上が1%向上する
こちらも少し古いデータですが、当時Amazonのエンジニアだった、Greg Lindenがブログで書いた内容が元となっています。Amazon時代にサイトの表示速度と収益の関係性を色々テストしたところ、100ミリ秒という単位の遅延でも収益が大幅に減少したという実体験があったようです。
(※3)https://glinden.blogspot.com/2006/11/marissa-mayer-at-web-20.html
ECサイトで言うとカートへの追加や商品の検索、商品詳細の表示などになりますが、企業サイトの場合は、TOPページの表示遅延で企業のブランドイメージに影響が出ることや、問い合わせフォームや資料ダウンロードなどのコンバージョンをしてもらうページでのCVR(コンバージョン率)にも影響が出るということです。
高速化は、SEOにも良い影響をもたらす
Webサイトの表示速度がユーザー体験やコンバージョンに大きな影響をすることは述べてきた通りです。そしてこれは、Googleが評価する「良いWebサイト」の基準にもなっています。現在、Googleは、Core Web Vitals(※4)という指標を作り、ユーザーにとって良い体験をもたらすページの表示速度の基準を出しています。
(※4)https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-web-vitals?hl=ja
Google検索セントラルによると、以下のように指標を出しています。
Core Web Vitals の指標
- Largest Contentful Paint(LCP): 読み込みパフォーマンスの尺度。優れたユーザー エクスペリエンスを提供するには、ページの読み込み開始から 2.5 秒以内に LCP を実現するようにします。
- Interaction To Next Paint (INP): 応答性の尺度。優れたユーザー エクスペリエンスを提供するには、INP を 200 ミリ秒未満に収めるようにします。
- Cumulative Layout Shift(CLS): 視覚的安定性の尺度。優れたユーザー エクスペリエンスを提供するには、CLS スコアを 0.1 未満に収めるようにします。
なかなか難しいことが書いてありますので、別の機会に深掘ってみたいと思います。

この指標は、Google Search Consoleで確認する事もできますし、PageSpeed Insights(※5)というGoogleが提供しているツールでも分かります。簡単ですのでまずは、PageSpeed Insightsで自社のサイトを調べてみることから始めてみましょう。Googleから見た皆さんのWebサイトの評価が数字でわかります。
(※5)https://pagespeed.web.dev/?hl=ja
高速化は、企業のビジネス成果・収益に大きく影響する
今まで見てきたように、実はWebサイト運営側が思っているよりもサイトの表示速度というのがビジネスに影響しているということが分かりました。マーケティング系の仕事をしている方は毎日Webサイトのアクセス数やコンバージョン数などを見ていると思います。しかし、サイトの表示速度までチェックしていますでしょうか。
サイトの表示速度(パフォーマンス)は、例えば容量の大きな画像や外部スクリプトの読み込み、リビジョンの肥大化、不十分なデータベース最適化など様々な理由で発生します。
企業ブランディングとして、収益への好影響として、ユーザー体験の向上として、競合優位性の確率として、Webサイト高速化は非常に重要な要素と言えます。
自社だけで十分な対応が難しい場合は、ぜひご相談を
WordPressサイトの高速化は、単なる技術改善ではなく、企業の成長戦略の重要な要素です。ユーザー体験の向上、SEO効果、売上増加、コスト削減など、多角的なメリットをもたらします。
しかし、自社サイトの表示速度を見直し、適切な高速化対策を講じることが企業の競争力向上につながると分かっていても、社内の人的リソースや予算感などの理由ではじめの1歩が踏み出せない場合もあります。
そういった場合は、専門的なマネージドサービスや最適化ソリューションの活用をご検討ください
当社プライム・ストラテジーのKUSANAGIはWebサイトの高速化を実現できるサーバソリューションです。更に、Core Web Vitalsの指標を改善するWEXALというソリューションもございます。
一度ご相談してみたいという方は、お気軽にお問い合わせください。
コンサルタントによるカジュアル相談も大歓迎です。
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