脆弱性ウォッチは経営リスク管理── Web セキュリティの包括的なポイント

Webセキュリティ最前線

こんにちは、齋藤です。このコラム記事では、最新の Web セキュリティに関する内容を紹介し、企業のサイトを守るための考え方と実践方法をご紹介します。

WordPress プラグイン「WP Ghost」の脆弱性情報

Bleeping Computer の 2025 年 3 月 25 日の記事 WordPress security plugin WP Ghost vulnerable to remote code execution bug によると、WordPress プラグイン「WP Ghost」には、5.4.01 までの全てのバージョンに影響する、リモートコード実行の脆弱性が存在していました。

この脆弱性を攻撃者が悪用すると、認証されていなくても任意のコードを挿入してデータを改ざんしたり、不正なリダイレクトを行ったりできる可能性があります。

WordPress は豊富なプラグインが魅力ですが、そのぶん管理が煩雑になりがちです。更新を怠ると、あっという間に既知の脆弱性を突かれてしまうリスクが高まります。

見逃されがちな「周辺」セキュリティ

攻撃者は、メインサイトだけでなく運用中のステージング環境やサブドメイン、WP REST API エンドポイントなどの「入り口」があればどこからでも狙って来る可能性があります。意図しないところでサービスを終了していたり、開発用に使っていたインスタンスをそのまま残してしまっているというようなケースは多々あります。

このような周辺分野も含めて、企業の Web サイトを守るためには、以下のような対策が必要です。

  1. 脆弱性情報を定期的にウォッチ

WordPress の脆弱性情報を頻繁にチェックし、利用しているテーマやプラグインが安全か確認する。

  1. 不要なサイト・サブドメインやアカウントの整理

いつの間にか放置されているサブドメインがないか、DNS 設定が残ったままのクラウドサービスはないか、退職者や契約が終了した業務委託の方のアカウントはないか、定期的に棚卸しをする。

  1. 更新の自動化と早期適用

アップデートが公開されたら即座に適用する体制を整える。自動アップデート機能をオンにして即座にアップデートされるようにするか、表示崩れなどが不安な場合はステージング環境などを用意して検証しつつ、できる限り迅速に本番反映を行う。

  1. 専門家の力を借りる

セキュリティ診断や運用をプロに任せることで、最新の知見を踏まえた堅牢なサイト運用をする。

しかし、1 の実現には担当者の方の日々の手間がかかります。2 についてはぜひ手間を惜しまず行うことが推奨されますが、ロードマップやきっかけがないと中々難しいと思います。3 や 4 については、それを高いレベルで実現できる技術者や専門家のサポートを受けるのにかなりの費用がかかるでしょう。

KUSANAGI Security Edition で始める「抜け道対策」

そこで便利なのが、プライム・ストラテジーの提供する KUSANAGI Security Edition です。「サーバー環境や WordPress をはじめとする CMS の運用に熟知した専門家が、最新のセキュリティ要件を見据えながらサイト全体を保護してくれている」というような状況を作ることができます。

WordPress 等へのセキュリティアップデートだけでなく、アクセス監視や脆弱性スキャンなどを定期実施する仕組みを取り入れることで、「しまった、どこかに穴が開いていた…」という事態を最小限に抑えられます。万が一のときの緊急対応も含め、セキュリティ対策にかけるコストを抑えつつ、経営リスクを減らすことが可能になります。

前述の「脆弱性情報を定期的にウォッチ」についても、プライム・ストラテジーの提供するサービスを併用すれば、より多角的なセキュリティ情報のキャッチアップが期待できます。

Web セキュリティ脅威は複雑化が進み、HTTPS 化や基本的な対策だけでは安心できない時代になりました。専門サービスの力を活用し、より安全な Web 環境を実現することが重要です。

【著者】
ゼノクリース合同会社 代表(Web
齋藤智樹

在学中から高校や予備校、IT 企業に携わり、講師とソフトウェアエンジニアとして活動。
大学卒業後 (2020年4月〜) はフリーランスエンジニアとして活動を始め、以下のような幅広い業務を行う。2021年3月に、業務を拡大させるためにゼノクリース合同会社を設立。スタディングテックの WEB 開発コース主任講師も務める。

プライム・ストラテジーでは、Web担当者様、IT担当者様などの
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