
こんにちは、齋藤です。このコラム記事では、最新の Web セキュリティに関する内容を紹介し、企業のサイトを守るための考え方と実践方法をご紹介します。
増加していく AI 駆動型攻撃
2025 年 7 月現在、セキュリティ業界でかなり注目されているトピックは、AI 駆動型攻撃の急激な増加です。Tech Advisors の最新レポート “AI Cyber Attack Statistics 2025” によると、2024 年後半にはフィッシングメールが 202% 増加したという衝撃的なデータもあります。
「うちは中小企業だから狙われない」「AI を使った攻撃なんてまだ先の話」と思われるかもしれません。しかし、実際には、AI ツールの民主化により、技術的な知識が乏しい攻撃者でも高度な攻撃を仕掛けることが可能になってしまいました。
もちろん、クラッキングやマルウェアの開発は組織で大々的にできることでないので、企業のように先輩から後輩に教えて、研修を受けてという形ではなく、攻撃者が自分で調べたり悪いコミュニティで情報交換をしたりというケースが多いです。
皮肉なことに、生成 AI の普及と進化によって、このような学習の仕方がさらにブーストを受けるという形になってしまっています。
AI を使った防御システムの進化
しかし希望もあります。
AI 技術は攻撃にも使われますが、防御にも活用できるのです。
DESIGNRUSH の “How Generative AI Strengthens Cybersecurity Defenses” によると、継続的な監視やリアルタイムアラート、攻撃シミュレーションや顧客の信頼強化など、多くの場面で生成 AI を活用したセキュリティシステムが進化しています。
実際、私自身も E2E テストやセキュリティテストなどのテストは生成 AI のおかげで、より効率的に行えるようになっています。また、素朴に開発中のコードについて「このコードには脆弱性やバグはないか?」という質問を生成 AI にすることもあります。
セキュリティリスクは従来、勉強していないとリスク自体に気づかないという非常に厄介な問題でしたが、生成 AI を使うことで、より効率的にリスクを発見することができるようになっています。
(もちろん、あくまでそれは一次チェックであって、その後の検証や専門家のサポートが必要なケースが多いですが)
まとめ ── まずは Web サイトのセキュリティから
このような複雑化する脅威環境において、単独で対策を講じることは困難です。
まずは現状の把握から始めてみるというのも良いと思います!プライム・ストラテジーが提供する簡易脆弱性診断で、あなたのサイトの現状をチェックしてみてください。(WordPressサイトであればまずは無料脆弱性診断もございます)
また、プライム・ストラテジーが提供する KUSANAGI Security Edition では、セキュリティ運用を自動化することもできます。
事業についてのあらゆることに対してセキュリティを考えていくのは大変ですが、まずは Web サイトのセキュリティから始めてみるというのも良いと思います!
【著者】
ゼノクリース合同会社 代表(Web)
齋藤智樹
在学中から高校や予備校、IT 企業に携わり、講師とソフトウェアエンジニアとして活動。
大学卒業後 (2020年4月〜) はフリーランスエンジニアとして活動を始め、以下のような幅広い業務を行う。2021年3月に、業務を拡大させるためにゼノクリース合同会社を設立。スタディングテックの WEB 開発コース主任講師も務める。

プライム・ストラテジーでは、Web担当者様、IT担当者様などの
お役立ち資料やYouTube動画を公開しています。ご興味ある方はぜひご覧ください。