
こんにちは、ゼノクリース合同会社 CEO の齋藤です。このコラム記事では、企業の Web ガバナンスや最新情報について紹介しています。
崖っぷちに立つ日本企業の現実
「2025年の崖(デジタルクリフ)」という問題をご存知でしょうか? 経済産業省が 「DX レポート ~ IT システム「2025 年の崖」克服と DX の本格的な展開~」 で警鐘を鳴らしたこの問題は、もはや他人事ではありません。2025 年も半分が過ぎ、多くの日本企業が文字通り「崖っぷち」に立たされている状況です
2025 年問題の 3 つの課題
1.レガシーシステムの限界
日本企業に限った話ではありませんが、ある程度以上の規模になったシステムは、リプレイスが非常に大変で、なんとか既存の技術スタックやバージョンのまま運用しているケースが多くあります。
(外部のシステム開発会社に依頼して作ったシステムだけではなく、自社でソフトウェアを作成している会社ですら、システムのリプレイスには難儀している印象があります)
ベンダーサポート終了によって、脆弱性が増してしまったり、保守の難易度が上がり、ちょっとした機能の追加や修正が困難になってしまったりと、生成 AI によってビジネスが加速していく中で、大きなビハインドを抱えることとなってしまいます。
2. IT 人材の深刻な不足
IT 人材が不足していることは、この記事を書いている 2025年7月現在も変わりません。
生成 AI や Web アプリ・スマホアプリ開発のような、多くの技術者が志望する分野については人材が供給されていく一方で、レガシーシステムの運用・保守を継承できるような人材は、さらに不足していくと予想します。
3. 組織文化の硬直化
技術的な課題以上に深刻なのが、日本企業特有の組織文化です。ABeam コンサルティングの調査では、大企業で DX に成功したのはわずか 7% という結果が出ています(「日本企業の DX 取り組み実態調査」)。
- 経営層のデジタル理解不足
- 現場の変化への抵抗
- 縦割り組織の弊害
- 失敗を恐れる文化
などによって、DX は人間組織の中ではなかなか上手く進められないものです。同じような話でも、例えば SNS で、「企業(特に大企業)で生成 AI を導入するのは難しい」という意見が多く見られます。
2025 年の崖を越えるために
2025年の崖は確かに存在します。しかし、それは乗り越えられない壁ではありません。重要なのは、完璧を求めすぎず、今できることから着実に実行すること。小さな一歩でも、踏み出さなければ崖から落ちるだけです。
Webサイト周りについてのガバナンスは、プライム・ストラテジーの提供するCMS/Web プラットフォーム統合サービスで効率的に行うことができることは、前回のコラムでも紹介しました。
また、WebガバナンスについてはWebガバナンスガイドラインも無料公開しています。ぜひご覧ください。
プライム・ストラテジーでは、Webサイトだけに限らず、この 2025年の崖問題の解決をサポートするためのサービスを提供しています。
参考:これまでのプレスリリース
・レガシーシステムのソースコードとドキュメント管理を効率化する「2025 年の崖」対策ソリューションの開発を発表
・レガシーシステムのソースコードとドキュメント管理を効率化する「2025 年の崖」対策ソリューションの基礎研究のスプリント 1 を完了
・レガシーシステムのソースコードとドキュメント管理を効率化する「2025 年の崖」対策ソリューションの基礎研究を完了
こちらのAI ソリューションは、私もお手伝いさせていただいております。
できるところから、どんどん実行していきましょう!
【著者】
ゼノクリース合同会社 代表(Web)
齋藤智樹
在学中から高校や予備校、IT 企業に携わり、講師とソフトウェアエンジニアとして活動。
大学卒業後 (2020年4月〜) はフリーランスエンジニアとして活動を始め、以下のような幅広い業務を行う。2021年3月に、業務を拡大させるためにゼノクリース合同会社を設立。スタディングテックの WEB 開発コース主任講師も務める。

プライム・ストラテジーでは、Web担当者様、IT担当者様などの
お役立ち資料やYouTube動画を公開しています。ご興味ある方はぜひご覧ください。