Webデザイナーのための5分でわかるWebサーバーの仕組み 【第1回】

初めまして。AIビジネス部の森山砂葵と申します。

このコラムでは、WebデザインはできるけどコーディングやWordPressなどのCMSには触れたことがないデザイナーや、これからWebデザイナーを目指す方、DTPデザイナーからWebデザイナーへの転職を考えている方向けに、知っておくと役立つ知識をピックアップして、わかりやすく解説していきたいと思います。

私は前職ではWeb制作会社で約8年間、ディレクターとしてWebサイト制作に携わっていました。その中で経験者も初心者デザイナーも多く見てきましたが、やはりHTMLの知識があるデザイナーとDTPから転職してきたデザイナーなどHTMLの知識のないデザイナーでは、Webデザインの完成度が違うと感じています。

HTMLの特性を知らないと、たとえば横幅1920pxで綺麗に見えるデザインは作れても、横幅を変えると見づらく崩れてしまうことが多々あります。

一方で、WebサイトやWordPressの特性を理解しているデザイナーは、モバイルフレンドリーなレスポンシブデザインを作ることができます。

デザインには直接関係がないように見えることでも、Webに関する知識を幅広く持っている方が、他のデザイナーより一歩先のWebデザインを生み出せるはずです。

 そんなわけで第1回目の今回は、「Webサーバーってそもそも何?」というテーマで解説したいと思います。

Webサーバーって何をしているの?Webサイトの仕組み

Webサーバーとは、簡単に言うとWebページのファイルなどのデータを保管していて、見たい人がアクセスできるコンピューターのことです。

例えば、「会社のホームページを見たい」と思ったら、Google ChromeやSafariなどのブラウザを開いて、URLを入力してアクセスするとWebサイトが見られますが、実はこの間にブラウザとサーバー間ではやり取りが行われています。

まず、パソコンやスマートフォンの中にあるブラウザが、 Webサーバーに向かって「〇〇のページを見せてください」とリクエストを送ります。

そのリクエストを受け取ったサーバーは、該当するページのデータをブラウザに返します。
ブラウザはそのデータを読み取り、パソコンやスマートフォンの画面にWebページとして表示してくれます。

このとき、ブラウザとサーバーの間でやり取りするための“決まりごと”が HTTPアクセス(通信のルール) です。

つまり、HTTPという共通のルールに従って、サーバーとブラウザが“会話”をしている状態です。

補足:最近では、URLの最初が「https://」で始まるサイトがほとんどですが、この「s」はSSLという仕組みを使って通信を暗号化している、という意味です。

これは、ブラウザとサーバーの間でやり取りするデータを安全に守る仕組みのことです。

本屋さんに例えると分かりやすい!

いきなりWebの仕組みを学ぶのは少し抵抗がある、難しいと感じる方も多いと思いますので、「本屋さん」に例えて考えてみるとわかりやすいと思います。

  • Webサーバー = 本屋
    本屋さんにはたくさんの本が棚に並んでいます。
    読者(=ユーザー)は欲しい本を探して手に取ります。
    Webサーバーも同じで、世界中のユーザーが「見たいWebページ」を取りに来る場所(本屋)というイメージです。
  • Webサイト = 本
    本(Webサイト)は、本屋の棚に並べられ、誰でも読むことができます。
    ただし、Webサーバーという「本屋」に置かない限り、その本は倉庫に眠ったままで誰の目にも触れないままになってしまいます。Webサイト制作の現場ではよく「ローカル」という言い方をしますが、それは倉庫にある状態の自分しか見れない場所というイメージです。

つまり、Webサーバーがあるからこそ、Webページを世界中の人に見てもらえるのです。

レンタルサーバーとクラウドサーバーの違い

Webサーバーを使うには、大きく分けて「レンタルサーバー」と「クラウドサーバー」の2つの方法があります。
こちらも本屋さんのたとえで考えてみましょう。

レンタルサーバー = すでにできあがった本屋の一角を借りる

  • デパートの中にある本屋さんの一角を間借りするイメージ
  • 棚やレジなど必要な設備はすでに用意されている
  • 入居したらすぐに本(Webページ)を並べることができる
  • 管理やメンテナンスはお店側(=サーバー会社)が対応してくれる
  • 自由に棚の形を変えたり大規模に拡張したりするのは難しい
  • 手軽でコストも安めなので、初心者にもおすすめ

クラウドサーバー = 更地を借りて自分で本屋を建てる

  • まっさらな土地を借りて、自分好みの本屋を建てるイメージ
  • 棚の配置や広さ、外観まで自由に設計できるため、自由度が高い
  • 必要に応じて店舗(サーバー)を拡張することも可能
  • 設計や管理を自分で行う必要があり、知識や手間がかかる
  • 大規模サイトや本格的な運用に向いている

まとめ:本屋の例えで整理してみよう

  • Webサーバー = 本屋(Webページを保管・配信する場所)
  • Webページ = 本(誰でも読めるコンテンツ)
  • ローカル環境 = 倉庫(開発者本人のPCの中)
  • レンタルサーバー = すでに用意された本屋の一角を借りる(手軽・低コスト・自由度は低い)
  • クラウドサーバー = 更地を借りて自分で本屋を建てる(自由度が高く柔軟・知識が必要)

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございます。

Webサーバーは、あなたがデザインしたWebページを世界中の人に届けるために必要な場所です。
「本屋」と「本」の関係をイメージしておくと、サーバーの役割がぐっと分かりやすくなるのではないかなと思います。

少しでもWebの仕組みをイメージしていただけていたら幸いです。

執筆者/森山砂葵(プライム・ストラテジー株式会社)

「プライム・ストラテジー株式会社」AIビジネス部所属

医療事務、Webディレクターを経て、現在はPythonを勉強中。趣味は画像生成や旅行を兼ねた聖地巡礼です。